クリーニングを利用する多くの人が知らない事
衣替えシーズンになると冬物のコートやダウンなどをクリーニングに出される方は多いと思います。では自分の出したコートがどのようにして洗濯されているかをご存知でしょうか?実は水ではなく石油でお洋服を洗うんですね。
日本の99%のクリーニング店は水ではなく溶剤と呼ばれるものでクリーニングをしています。この溶剤の中にもいくつか種類があり、主に3種類の溶剤でクリーニングされています。今回はその3種類についての特徴をご説明させていただきたいと思います。
溶剤1 パークロエチレン(テトラクロロエチレン)
不燃焼で油脂溶解力が大きく、比重も大きくて揮発しやすいので、短時間で洗浄や乾燥ができるメリットがあります。しかし、有害物質と指定されているので微量の排出も規制されており、特殊な機械が必要なため現在使われているクリーニング店さんは少ないと思われます。また汚れ落ちが良い分お洋服への負荷も他の2つに比べると大きいです。
溶剤2 フッ素系溶剤(HCFC-225)
不燃焼で油脂溶解力が小さいですが、浸透量や比重が大きいため洗浄時間が短くできます。沸点が低いので乾燥温度が低く、短いメリットがありますが、ボタンや樹脂に損傷を与える場合があります。
特定フロンはオゾン層破壊物質として1995年末に国際的に製造が禁止され
代替フロン(HCFC-225)も製造時期が2020年までと決められています。
溶剤3 石油系溶剤
石油系溶剤は、油脂溶解が小さく、比重も小さいので、デリケートな衣類の洗浄に適しています。安全性が高いため日本では、石油系溶剤が一番普及しております。
石油系の特徴は油汚れが落ちやすく、水溶性の汚れは落ちづらいという特徴があります。
石油系溶剤の凄い所はティッシュをいれて洗っても型崩れせずにそのままティッシュが出てきます。それぐらい衣類には優しいので多くのクリーニング店が石油系の溶剤を使っています。
また、石油系溶剤指定の取り扱い絵表示(下図)でも、石油系溶剤以外の溶剤で洗浄しても問題ない衣類も多数あります。
一部の衣類の製造メーカーは、一番やさしい溶剤という理由で他の溶剤で洗浄できるにも関わらず、セキユ系を指定している場合が多いです。(現在は表示が統一されたためなくなりました。)
まとめ
このようにクリーニング店では多くの場合、溶剤というものを用いてクリーニングを行っています。さらにその中にもそれぞれ特徴の違う溶剤が使われているため気になる方はお店の方で店員さんに聞かれることをお勧めします。現在では一部のお店では特殊な技術を用いて本来水洗いできないものを水で洗うことも行っているお店もありますので合わせて店員さんに聞かれる事をお勧めします。
次回はみんなが知らない汗取りクリーニングの真実をお伝えします。
榎本周平
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